こんにちは、すみれです!
初夏に咲き始めるネジバナ。
ピンクの小さな花をつけて、らせん状にねじれている草花です。
今回は「ネジバナ」の世界をのぞいてみましょう!
ネジバナはとても身近なラン

ネジバナは、ラン科ネジバナ属の多年草です。
日当たりのよい芝生や草地に生え、ほぼ日本全土でみられます。
ラン科で有名なカトレアや胡蝶蘭と異なり、ネジバナはとても身近に咲くランと言えます。


芝生に生えるランとは!!
ネジバナが芝生などの草地に生える理由は、草地に住む特定の菌類の力を借りて成長するためです。
そのため、鉢植えに移す場合は、周囲の土ごと移植した方がよいです。
また、市販の土には、成長を助ける菌がいないので、もし種をまくならば、ネジバナが咲いていた近くの土に撒く方が、発芽率が高いです。
最近は、ネジバナを盆栽にして楽しむ方も、増えているようです。
ネジバナの花はラン科特有の形


ネジバナの開花時期は、6月下旬から7月下旬ごろ。
5㎜ほどの小さな花を咲かせます。
小さな花の寿命は、3~4日ほどで、とても短いです。
ネジバナの花をよくみると、ラン科に特有な花をしています。
ラン科の花の特徴
- 左右対称
- 3枚のがく片と3枚の花弁がある
- 花弁のうち1枚は、他の花弁と異なる形(舌弁)
ラン科の花の特徴を理解した上で、胡蝶蘭とネジバナの花のつくりを見てみましょう。


このように、ネジバナの花のつくりは、胡蝶蘭と一致します。
ネジバナの舌弁は、やや透き通ってキラキラして、フリルが付いていて、とっても可愛いです。



こうしてネジバナの花をみると
ランの仲間なんだなぁと実感します。
ネジバナの別名は捩摺


ネジバナの別名である捩摺(もじずり)は、ねじれた模様を付ける織物に由来します。
もじずりとは、石の上に絹織物を置いて、上から草や花などの染料を擦り、ねじれたような模様を付ける染物の一種です。
ネジバナが、捩摺の模様に似ていることから、「もじずり」という別名が付きました。
残念ながら、現在では、捩摺は行われていません。
下記のサイトでは、福島県川俣町に伝わる製法で復元された、もじずりの模様が見られます。
ネジバナは光源氏の和歌にも登場!


もじずりの乱れた模様と、乱れた恋模様を表現した和歌があります。
作者は河原左大臣で、光源氏のモデルともいわれる源融(みなもとのとおる)です。
興味のある方は、こちらをどうぞ。
ネジバナは右巻き左巻き?
ネジバナには、右巻きと左巻きがあり、1:1の比率で存在します。
巻き方は、地域や環境によって異なり、花の付き方も個体によって違いがあります。
下の写真は、巻き方や花の付き方を比較したものです。


左巻き、右巻きと、しっかり巻いているネジバナもあれば、ゆるく巻いているネジバナもあります。
また、花が同じ方向を向いて直線に並んでいるネジバナや、花の向きが左右ばらばらなネジバナも。
すべて、我が家の庭で撮影したものです。
広い庭ではありませんが、これほど多彩なネジバナに出会えるとは、驚きでした。



ネジバナを見つけたら、ちょっと観察してみると楽しいですよ。
ネジバナのねじり始めは下から順番
ネジバナの花序(かじょ)は、初めからねじれていません。
3日連続して同じネジバナを撮影したものが、下記の写真です。



少し撮影位置がずれていますが、ご了承ください。


注目して欲しいのは、一番下の花です。
①では、茎についた花のつぼみが、すべて上に向かって整列しているのが分かります。
成長とともに、向かって左側にねじれ始めたのが、②の写真です。
③では、完全にねじれて花が咲きました。
花序の上半分は、ねじれずに上を向いたままです。
このように、ネジバナは花序の下から順番にねじれながら、花を咲かせるのです。



とってもおもしろい!
まとめ
- ネジバナはラン科の多年草で、芝生に住む菌類を成長の糧とする
- ネジバナの右巻きと左巻きは1:1
- 別名もじずりは、石に絹織物を置いて、花や草で染色する模様に由来する
梅雨の合間に咲く、ピンク色の小さな花に、目を奪われます。
ラン科には珍しく素朴ですが、とても興味深く、魅力的な花です。
是非とも、ネジバナを見つけてみてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
<参考資料>