こんにちは、すみれです!
果実の成り方について調べていたら、ジャボチカバという不思議な果実に遭遇しました。
今回は「ジャボチカバについて」をご紹介したいと思います。
実のなり方が、見慣れなくて、ちょっと刺激的です。
南米の植物ですが、日本でも育てることができます。
ぜひご覧ください。
このページは、小さな個体の集合体やブツブツしたものを含みます。
苦手な方はご遠慮ください。
ジャボチカバとは?
ジャボチカバはフトモモ科ギブドウ属で、原産地はブラジルです。
常緑中高木で、8~5mほどに成長します。
実が成ると、写真のような姿になります。
ジーっと見ると、ちょっと気持ち悪い感じがします。
ジャボチカバの名前は、ブラジルの先住民であるトゥピ族の言葉で「亀のいる地」という意味です。
「ブラジリアングレープツリー」という別名もあります。
グレープツリーって感じは、見た目から分かる気がする。
ジャボチカバの花が咲くと、こうなる!
ジャボチカバは、幹や枝に直接花がつく「幹生花(かんせいか)」です。
花が咲いている姿は、毛むくじゃらのモンスターみたいです。
幹生花とは?
幹に直接花が咲いて、実をつけること。
熱帯雨林では、鳥類ではなく哺乳類が種を運んでくれます。
そのため、哺乳類が実を食べやすいように、枝先に実をつけるのではなく、幹や枝に直接実をつけるようになったといわれています。
もっと花に近づいて見てみると、こんな感じになっています。
花の大きさは、1㎝程度で、両性花です。
春から秋にかけて数回花を咲かせます。
両性花とは、1つの花の中に、めしべとおしべの両方がついている花のこと。
こうして花を見ていると、ジブリのナウ〇カに出てくる死海の胞子のように見えてきます。
ジャボチカバの実は、ブドウにそっくり
ジャボチカバが花を咲かせると、1週間ほどで緑色の実ができます。
60日前後で実が紫色に熟してきます。
熟すと、ぶどうの巨峰にそっくり。
実を軽く持ち上げると、簡単に収穫できます。
ジャボチカバの実は、直径2~4㎝ほどで、果肉はゼラチン質で半透明です。
糖度は16~20度ほどあります。
葡萄酒のような香りがして、味はカルピスやライチのよう。
収穫して数時間で味が落ちるため、常温では1日ぐらいしか日持ちがしません。
そのため、すぐに食べない場合は、冷凍しておきます。
生で食べる他に、ゼリーやジャムに加工されます。
暮らしを彩るWITH SMILE 不思議な南米のフルーツ「ジャボチカバ」西川農園
ジャボチカバの栄養成分は?
日本食品標準成分表2020年度版(八訂)には、ジャボチカバの成分は掲載されていません。
西川農園さんが、ジャボチカバの成分を独自に調べています。
全成分を検査依頼すると、費用の自己負担が大きいので、2項目のみ実施したそうです。
ありがたく参考にさせていただきます。
栄養成分 | 100gあたり |
ビタミンC | 27mg |
ポリフェノール(種を除いた果実全体) | 410mg |
ポリフェノールが多くて有名なのは、ブルーベリーですが、ジャボチカバと比較してみます。
栄養成分 | ジャボチカバ | ブルーベリー |
ビタミンC | 27mg | 9mg |
ポリフェノール | 410mg | 300mg |
ジャボチカバは、ブリーベリーよりビタミンCやポリフェノールが多いのです。
なかなかやりますな、ジャボチカバ。
ジャボチカバと同じように、ちょっと不思議なフルーツがあります。
興味のある方は、こちらもどうぞ。
日本でもジャボチカバを栽培できる?
ポイントさえ押さえれば、ジャボチカバは日本でも育てられます。
原産国のブラジルでは「ジャボチカバを一度植えれば、孫の代まで収穫できる」といわれています。
ジャボチカバは、高さがそれほど大きくならないので、意外にも鉢植えでOK。
水やりと気温の管理に気を付ければ、家庭でも実を成らせて収穫できます。
ただ、植え付けから結実まで、5年前後かかります。
植え付け方法
ジャボチカバは、水はけのよい弱酸性の土を好みます。
赤玉土:40%、鹿沼土:30%、バーク堆肥30%をブレンドして用土を作ります。
8号以上の植木鉢を用意して、鉢底石を敷いたあとに、土を入れます。
根を壊さずに、そのまま植え付けましょう。
管理
高温多湿の日当たりを好むので、春から秋は日当たりのよい屋外におきます。
乾燥を嫌うので、乾いたらたっぷり水を与えます。
夏の暑い時期は水切れしやすいので、特に注意します。
南米の植物ですが、意外にも冬の寒さにも強いので、強い霜が降りなければ屋外でも越冬できます。
ただ低温にさらすと、春からの成長が鈍ったり、葉が枯れたりすることがあります。
最低気温が10℃以下になったら、屋内に移動させましょう。
冬の水やりは、乾き気味に管理します。
剪定
枝が込み合う部分をすっきりさせる程度で、基本的には放置で大丈夫です。
好みの高さになったら、先端の枝を切り落として、先端の成長を止めます。
高さ2m以上で暖かい時期に剪定するようにします。
肥料
5~6月頃に、骨粉入りのぼかし肥料を与えます。
植え替え
植え付けてから4年前後が経過したら、10号以上の植木鉢に植え替えます。
暮らしを彩るWITH SMILE 不思議な南米のフルーツ「ジャボチカバ」西川農園
まとめ
- ジャボチカバは幹生花であり、幹や枝に直接花を咲かせる。
- 実を付けると、見た目がちょっと刺激的。
- ジャボチカバの果実は巨峰に似ていて、果肉は透明で、ライチのような味がする。
- 気温や水やりの方法に気を付ければ、日本でも育てることができる。
ジャボチカバの実が成っている姿は、少し気持ち悪いですが、巨峰のような実は、非常に魅力的です。
ジャボチカバの果実は日持ちがしないため、生の果実は一般流通しません。
家で育てれば、フレッシュな果実を食べられます。
家庭でも育てられるようなので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
<参考資料>
米本仁巳 見ながら学習 調べてなっとく ずかんフルーツ 技術評論社 2014
日本食品標準成分表2020年度版(八訂)