こんにちは、すみれです!
転職や退職で避けて通れないものが、健康保険の切り替えです。
健康保険って、どんなこと?
退職したら、健康保険の切り替えには、どんな選択肢がある?
何をどうしたらいいか分からない。
保険のことって、どうしても苦手意識があるかも。
事務手続きって、面倒くさいし、書類もややこしいですよね。
スムーズに手続きを終わらせて、早く新しいことをはじめたいものです。
そこで、今回は「健康保険の切り替える方法」について、ご紹介したいと思います。
切り替える保険には、どんな選択肢があるのか等、わかりやすくまとめました。
ぜひご覧ください。
- 仕事を辞めたら、どんな保険になる?
- 保険の切り替えに、必要な書類は?
- 各保険のメリットとデメリットは?
何かしらの保険に入らないとダメ?
日本の医療システムは、国民皆保険制度で成り立っています。
つまり、みんなで保険料を支払って、それぞれが必要な時に、必要な医療の提供を受けているということです。
そのため、誰もが何かしらの公的医療保険に加入する必要があります。
国民皆保険はいつから始まったの?
みんなが保険に入る国民皆保険のシステムができるまでは、多くの人が医療を受けられず亡くなっていました。
そんな中、1958年に国民健康保険法が制定、1961年に国民皆保険がスタートします。
そして、赤ちゃんから高齢者まで、みんなが必要な時に医療が受けられるようになりました。
日本医師会 国民皆保険の歴史
公的医療保険って、どんなのがあるの?
公的医療保険は大きく分けて2つです。
- 健康保険
- 国民健康保険
分かりやすく表現するなら、会社員は健康保険に加入、自営業者は国民健康保険に加入ということです。
健康保険と国民健康保険の特徴を、簡単にまとめてみました。
健康保険は会社員が加入する保険です。
会社と働く人が、保険料を半分ずつ負担します。
その家族は、扶養家族として同じ保険を利用でき、保険料の負担はありません。
あとで述べますが、扶養家族になる要件がありますので、誰もが扶養になれる訳ではないので注意しましょう。
国民健康保険は、会社の保険に入っている以外の人が加入する保険です。
保険料は全額個人負担になり、扶養という制度はないため、家族の人数分の保険料がかかります。
退職や転職したら、どの保険にするの?
退職や転職をすると、今まで加入していた健康保険から、次の保険に切り替える必要があります。
転職先が決まっている場合は、転職先で保険の切り替える手続きをしましょう。
転職先が決まっておらず、離職期間が1日でもある場合は、下記のいずれかの保険を選択します。
- 国民健康保険に加入する
- 任意継続を利用する
- 扶養家族になる
国民健康保険に加入する
国民健康保険とは?
国民健康保険とは、他の健康保険に加入していない人が利用する地域医療保険のことです。
保険者は、都道府県および市町村です。
国民健康保険:手続きに必要なもの
- 国民健康保険資格取得届
- 健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票のいずれか1通
- 各自治体で指定された書類
- 印鑑
国民健康保険資格取得届は、住所地の市町村のホームページからダウンロードすることも可能です。
自治体によって書式が異なるので、必ず自分が住む市町村のホームページで調べてから準備するようにします。
また自治体ごとに必要書類が異なりますので、自治体のホームページを見て、用意するものを確認します。
例えば、銀行の通帳や届出印を持参するところもあります。
必要なものではありませんが、必要書類がそろっていれば、国民健康保険の加入の2週間前でも手続きをしてくれる自治体もあります。
自分が住む市町村のホームページをみて、確認するようにしましょう。
退職した職場から、離職票や退職証明がなかなか届かないとき
そんな時は「健康保険資格喪失確認通知書」を使いましょう。
健康保険資格喪失確認通知書は、日本年金機構が発行する書類です。
身分証があれば、年金事務所で発行してもらえて、急ぎの場合でも大丈夫です。
健康保険資格喪失証明書や離職票などの代用となります。
日本年金機構 国民健康保険等に加入するため、健康保険の資格喪失証明等が必要になったとき
*上記のリンク先から必要書類を印刷して使用できます。
片面印刷して、請求書と通知書に必要事項を記載して、両方とも年金事務所に提出してください。
国民健康保険:手続きをする場所
住所がある自治体の国民健康保険の担当窓口で手続きをします。
郵送でも受け付けていますが、保険料の確認もできるので、窓口で手続きすることをおすすめします。
国民健康保険:注意点
家族が国民健康保険に加入していて、追加で自分も加入する場合は、届出時に世帯主の保険証も必要になるので、忘れずに持参しましょう。
国民健康保険の保険料は、「前年の所得」「世帯の資産」「家族の人数」などで決められます。
保険料の算出方法は、自治体によって異なるため、所得額が同じであっても、市町村によって支払う保険料に差が生じます。
保険の切り替え時に、自分が納める保険料を確認しておきましょう。
場合によっては、このあと説明する任意継続を利用した方が、保険料が安いこともあります。
保険料をよく比較してから、選んだ方がよいでしょう。
国民健康保険:メリットとデメリット
任意継続を利用する
任意継続とは?
任意継続とは、勤めていた会社の保険を退職後も引き続き利用するものです。
正式には「任意継続被保険者制度」といいます。
特徴は、退職して健康保険の資格がなくなっても、最長で2年間、継続して保険に加入できることです。
任意継続を利用するには、2つの条件があります。
- 健康保険に加入していた期間が、退職前に2カ月以上継続してあること
- 退職日の翌日から20日以内に手続きをすること
申請期間を過ぎてしまうと、利用できなくなる可能性があります。
手続きする期間が比較的短いので、早めに行動しましょう。
任意継続:手続きに必要なもの
- 任意継続被保険者資格取得申出書
- 退職証明書のコピー
- 離職票のコピー
- 健康保険被保険者資格喪失届書のコピー など
上記の必要書類は、協会けんぽの場合です。
必要書類は、各健康保険組合で異なるので、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
こちらは、協会けんぽの任意継続ですので、参考にしてください。
全国健康保険協会 任意継続被保険者資格取得申出書
任意継続:手続きをする場所
加入していた健康保険によって異なります。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)以外の健康保険組合:その健康保険組合
- 全国健康保険協会(協会けんぽ):居住地を管轄する協会けんぽ
離職前の健康保険証に保険者の名称が記載されています。
職場に保険証を返却する前に、確認しておきましょう。
任意継続:注意点
さきほど説明した国民健康保険の保険料と、任意継続を利用した際の保険料をよく比較しましょう。
任意継続の保険料は、会社側の負担分がなくなるので、今まで支払っていた額の2倍です。
また転職や退職した日にちによっては、2カ月分支払うこともありますので、保険料は多めに準備するようにしましょう。
任意継続:メリットとデメリット
扶養家族になる
扶養とは?
扶養とは、生計を維持できない家族や親族に経済的な援助を行うことです。
「扶養家族になる」ということは、健康保険に加入している家族の被扶養者になるということです。
配偶者や子どもなど、家族で健康保険に加入している人がいれば、その保険の被扶養者になれる可能性があります。
扶養になるには、一般的に下記の条件があります。
- 扶養になろうとする人が、3親等内の親族
- 被保険者(保険料を支払っている人)に生計を維持されている
- 75歳未満
扶養になろうとする人の収入では、下記の条件があります。
- 年間収入が130万円以内(月額換算:108,333円未満)
- 被保険者の収入の1/2未満
被保険者と同居か別居かによっても、要件が異なります。
被保険者が加入する健康保険組合に、扶養に入る要件を確認しておきましょう。
扶養家族になる:手続きに必要なもの
被保険者との関係によって、必要な書類が異なります。
被保険者が加入する健康保険組合の担当者に確認してみましょう。
扶養家族になる:手続きをする場所
被保険者が加入する健康保険組合の担当部署が窓口です。
扶養家族になる:メリットとデメリット
保険の切り替え トラブル&対応
- 国民健康保険に切り替えようと思ったけど、期限に間に合わないかも。
-
退職時の事務作業に時間がかかって、必要書類がなかなか手元に届かないこともあります。
国民健康保険の加入手続きが、期限内にできないとしても、できるだけ早く手続きをするようにしましょう。
国民健康保険の保険料は、最長2年間、さかのぼって納めることができます。
国民健康保険の届出をしないと、10万円以下の過料が発生したり、保険料未納により財産を差し押さえられたり可能性もあります。
- 保険の切り替え中に医療機関を受診したら?
-
保険の切り替えをしている間に、体調を崩して医療機関を受診することもあるでしょう。
そんなときは、医療機関に保険を切り替えていることを伝えて、一度全額自己負担で医療費を支払います。
その際に渡された領収書は、大切に保管しましょう。
新しい保険証が届いたら、保険証と領収書を持って再度医療機関に行くと、差額を返金してくれます。
また新しい保険証が届くのが、月をまたいでしまったら、保険者に療養費の請求をすれば返還されます。
まとめ
転職や退職の間際は、仕事の引き継ぎなどで大変慌ただしいです。
また保険の手続きには期限があるので、切り替えが遅れないように、確実に実行したいものです。
そのためにも、早めに転職や退職後の保険について考えて、計画的に保険の切り替えを準備していきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
* 記事を執筆した時点での税制になります。記事によっては、最新の税制を反映していない可能性もありますので、ご了承ください。
<参考資料>
duda 転職・退職時の健康保険の切り替え
SCSK健康保険組合 家族を扶養に入れたいとき
日本製鐵健康保険組合 家族を扶養に入れる
オールカラー超入門! マンガでわかるFP3級 23-24年版 前田信弘 ナツメ社