【土偶の世界】現代にも通用する美しさはシンプルで魅力的!

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こんにちは、すみれです!

栃木県埋蔵文化財センターの夏の企画展に行ってきました。

今回ご紹介するのは、文化財センターで出会った顔から国宝まで、私のお気に入りの土偶です。

縄文時代に作られているにも関わらず、現在にまで魅力を放ち続ける作品たちです。

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たくさんの顔!

栃木県埋蔵文化財センターでは、「出土したカオ・かお・顔」というテーマで、夏の企画展が開催していました。

遺跡から出土した遺物の中から、顔の表情が見られるものを集めた企画展です。

栃木県埋蔵文化財センター

すみれのお気に入り「顔」ベスト3!

埋蔵文化財センターの企画展では、個性的な顔と出会えました。

私が気に入った顔を紹介したいと思います。

すみれさん

埋蔵文化財センターの方に許可を頂いて、顔を撮影してきました!

第3位 人面付注口土器

人面付注口土器

こちらの土器は、縄文時代晩期に作られたものです。

土器に顔が付いているものです。

器に顔が付いていると思うと、ちょっと怖い気がします。

しかし、描かれている顔がとても穏やかです。

すみれさん

仏様のような顔で、癒されます。

第2位 ハート形土偶

ハート形土偶

展示されていたハート形土偶は、鼻がくっきりしていて、腰から下にかけて描かれている模様がステキでした。

ハート形土偶とは?

顔の形がハートの形をしている土偶のこと。

縄文時代の後期に作られ、主に関東から東北南部で出土しています。

群馬県の郷原遺跡から出土したハート形土偶は、高さ30.5㎝あり、国指定重要文化財に指定されています。

群馬県東吾妻町の交差点には、巨大なハート形土偶が設置されています。

朝日新聞 「可愛い目にキュン」ハート形の土偶 現在人の心つかむ魅力とは

第1位 人面付土版

人面付土版
すみれさん

見てください!この気が抜けた感じ!!

ゆるキャラを思わせる表情が、なんとも言えません。

縄文時代晩期に作られた土板です。

土版とは?

土版は、岩版ともに、呪術用やお守りとして使用されました。

縄文時代の末期、東北地方や関東地方を中心に出土しています。

土版は粘土岩版は凝灰(ぎょうかい)岩や砂岩などの柔らかい石で作られています。

土偶と埴輪の違って?

土偶と埴輪の違いは、作られた時代や目的が異なります。

土偶と埴輪の違い

まず、土偶は縄文時代に作られています。

土でできており、人の形をしています。

多くは女性を型取り、乳房があり、お腹の膨らみを表現しています。

土偶は、子孫繁栄や五穀豊穰を願って作られました。

また、身代わりや魔除けの役割を担うこともあり、あえて体の一部が壊されます。

そのため、土偶は手足がない状態で見つかることが多いのです。

上空からみた古墳
photo by 写真AC

一方で、埴輪は古墳時代に作られます。

素焼きで、人の形以外にも、動物や刀、家具などの形があります。

亡くなった人が、死後の世界でも困らないように、古墳の周りに埴輪を置いたとされています。

茅野市尖石縄文考古館 展示物についてのよくあるご質問

国宝になっている土偶とは?

土偶の中でも、国宝に指定されているものは、これから紹介する5点のみです。(2024年9月時点)

いつか実物を見てみたいと思う、とても魅力的な土偶です。

縄文のビーナス(1995年国宝指定)

縄文のビーナス

縄文時代の出土において、初めて国宝に指定された土偶です。

お腹と下半身が強調されており、独特なフォルムをしています。

縄文時代は、住宅が集まる中心に広場が設置されます。

縄文のビーナスは、広場の中心部から出土しました。

多くの土偶がバラバラに壊されますが、縄文のビーナスは、横に安置されており、壊される様子が全くありませんでした。

茅野市尖石縄文考古館 国宝土偶(縄文のビーナス)

中空土偶(2007年国宝指定)

中空土偶

北海道函館市南茅部地区の著保内野(ちょぼないの)遺跡で出土された土偶です。

南茅部の「茅(カヤ)」と中空土偶の「空(くう)」をくっつけて、「(茅空)カックウ」という愛称で呼ばれます。

中が空洞な土偶である中空土偶の中で、最も大きく、高さ41.5㎝です。

顔立ちがはっきりしており、大きな肩とくびれた胴体が特徴的です。

函館市縄文文化交流センター

合掌土偶(2009年国宝指定)

合掌土偶

青森県八戸市の風張(かざはり)遺跡において、堅穴住居跡の壁に寄りかかるように出土しました。

座った状態で両腕を膝の上に置いて、両手で指を組んで合掌する姿から「合掌土偶」と呼ばれています。

体育座りをしている土偶は、全国でも珍しいです。

合掌土偶は、4つに割られましたが、天然のアスファルトで補修されており、大切に扱われていたと推測されます。

八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 国宝「合掌土偶」

縄文の女神(2012年国宝指定)

縄文の女神

形が残っている土偶の中でも、日本で最大の土偶になり、高さが45㎝あります。

山形県舟形町にある西ノ前遺跡から出土しました。

顔は上を仰ぐようで、表情はシンプルです。

腕がなく、上半身は横から見ると薄くスリム。

お尻は出っ張っていて、パンタロンを履いているように、足は裾広がりです。

均衡がとれて美しいところから、縄文の女神と呼ばれるようになった土偶です。

山形県立博物館 国宝「縄文の女神」

仮面の女神(2024年国宝指定)

仮面の女神

長野県茅野市湖東(こひがし)の中ッ原遺跡から出土した大形土偶です。

高さ34㎝、重さ2.7㎏で、全身がほぼ残った状態で見つかりました。

逆三角形の仮面をつけたような姿から、仮面土偶と呼ばれる土偶です。

仮面の女神は、右足が胴体から離れた状態で出土しましたが、人為的に行われた可能性が高いそうです。

仮面の女神が埋められた目的は、はっきり分かっていません。

茅野市尖石縄文考古館 国宝土偶(仮面の女神)

まとめ

  • 遺跡から出土した遺品の顔に注目すると、推しの顔に出会える
  • 土偶と埴輪の違いは、時代や目的が異なる
  • 国宝に指定されている土偶は5点のみ(2024年9月時点)

私たちの先祖が作った遺物と、当時の様子や思いを想像します。

美術品としても高く評価される土偶は、現代にも通用する美しさがあると思います。

生きている間に、国宝の土偶を実物で見たいものです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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