こんにちは、すみれです!
フリーランスになると、自分で確定申告する必要があります。
確定申告にも「白色申告」と「青色申告」があるって、知っていましたか?
個人事業主になったら、青色申告した方がいいって聞いたんだけど。
そうそう、税金が安くなるらしいよ。
そこで、今回は青色申告について説明したいと思います。
また、説明を聞いて「青色申告したい!」と思った方のために、申告書の書き方も説明してあります。
書類の各項目ごとに解説がついていますので、順番に記入すればスムーズに書類が作成できます。
5分あれば、青色申告から書類の書き方まで理解できますので、ぜひご覧ください。
- 青色申告ってなに?
- 白色申告と青色申告って、何がちがうの?
- 青色申告のメリットは?
- 青色申告承認申請書の書き方は?
青色申告とは?
青色申告とは、自分が納める税金を安くする制度のことです。
「青色申告承認申請書」を記入して税務署に提出します。そして受理されれば、青色申告を受けることができます。
しかし大前提として、開業届を提出しないと青色申告書は出すことができません。
病院やクリニックで働いていた時は、勤め先が給与にかかる税金を計算して、給与から天引きしてくれました。
フリーランスで個人事業主になったら、一年間の所得と税額を自分で計算して、税務署に報告する必要があります。
それが確定申告です。
個人事業主が納める税金の中で、確定申告が必要なものは「消費税」と「所得税」です。
「消費税」は、以下の場合に納める必要があります。
- 2年前の課税売上高が1000万円を超えた場合
- 1年前の1月1日から6月30日までに課税売上高が1000万円を超える場合
なかなか売り上げが上がらないと、該当にはならなそうですね。
「所得税」は、収入から経費を引いた所得に対してかかる税金です。
控除を受けて、できるだけ所得を少なくすることで、節税することができます。
青色申告をする利点は、この控除額が大きいからです。
白色申告と青色申告の違いは?
確定申告は大きくわけて「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
簡単にですが、両者の違いを表にしました。それぞれの項目を詳しく説明していきます。
事前の申請の有無
白色申告では、事前の申請は不要です。
一方、青色申告は納税を管轄する税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。
そこで注意が必要なのが、青色申告書を提出する期限は開業した時期によって異なることです。
例えば、1月1日から15日までに新たに開業した場合は、その年の3月15日までが期限です。
1月16日以降に開業した場合は、開業して2か月以内が期限。さらに、白色申告から青色申告に変更する場合は、青色申告をしたい年度の3月15日までに提出します。
開業日 | 提出期限 |
1月1日~1月15日 | その年の3月15日までに提出 |
1月16日以降 | 開業してから2か月以内に提出 |
期限を過ぎてしまうと、青色申告できるのが1年後になるので注意します。
提出し忘れないように、開業届と一緒に提出するのがベストです。
簿記の違い
白色申告は収支のみの単式簿記でよいので、簡易簿記で済みます。
一方、青色申告は複式簿記で記載します。
最大65万円の特別控除を受けたい場合は、簿記のルールに従って帳簿をつけて決算書を作成、さらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿に保存する必要があります。
これだけ聞くと、ものすごく大変そうな感じがしますが、会計ソフトを使用すれば、帳簿や決算書は簡単に作成できるので、難しく考えなくても大丈夫です。
節税の効果の有無
白色申告は節税の効果はありませんが、青色申告は効果があります。この点に関しては、このあと詳しく説明していきます。
青色申告するメリットは?
青色申告をするメリットは色々ありますが、ここでいくつか紹介したいと思います。
最大65万円の特別控除を受けることができる
青色申告では、最大65万円を所得から控除できる制度のことを「青色申告特別控除」といいます。
事業の収入から必要経費を引いた額に、所得税がかかります。
所得から控除される金額が大きいと、課税される所得額を抑えることができるのです。
少し難しい話ですが、青色申告していれば所得税を抑えられると理解していれば大丈夫です。
最大65万円の特別控除を受けるために条件があります。
- 事業所得か不動産所得があること
- 複式帳簿を記載して、確定申告時に青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)を添付すること
- e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存をすること
- 確定申告を期限内に行うこと
会計ソフトを利用すれば、複式簿記も簡単にできますし、決算書も作成できます。
あとは、確定申告の期間内に申告して、電子帳簿を保存すれば完了です。
最長3年間、赤字を繰り越せる
青色申告を受けると、生じた赤字を翌年から3年間で、黒字になった年の所得から差し引くことができます。
つまり、所得額を減らすことができて、結果として節税できるのです。
例えば、4年間の事業所得が、次の表のようになったと仮定します。
年数 | 事業所得 |
初年度 | -200万円 |
2年目 | -50万円 |
3年目 | 100万円 |
4年目 | 200万円 |
これらをグラフにすると、下の図の左側になります。
事業年数ごとの所得
赤字の繰り越し
次に、右側の図をご覧ください。初年度は赤字200万円ですが、半分の赤字100万円ずつに分けて考えていきます。
①初年度の半分の赤字100万円と3年目の黒字100万円で、プラスマイナスしてゼロになります。
②初年度の残りの赤字100万円と2年目の赤字50万円を合わせると、赤字150万円になります。これを4年目の黒字200万円から引くと、残り黒字50万円です。
そして残りの黒字50万円にのみ所得税がかかることになります。
ただし、この赤字の繰り越しを利用するには、赤字が出た年に「申告書第四表」を確定申告書と一緒に提出してすることが条件になります。「申告書第四表」は、国税庁のホームページから入手することができます。
国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r01/04.pdf
ちなみに、白色申告では赤字を翌年以降に繰り越すことは原則できません。
必要な書類を作成しよう
青色申告を受けるためには、納税地を管轄する税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。
では、必要な書類を作成していきましょう。
書類の入手する
まず、手元に「所得税の青色申告承認申請書」を用意します。
税務署や青色申告会、あるいは国税庁のホームページからプリントすることで入手可能です。
自分の都合の良い方法で用意します。
国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/10.pdf
[手続名]所得税の青色申告承認申請手続
事前の準備
書類を記入する前に決めておくことは、屋号の有無です。
また新しい事務所を借りた場合は、その住所が分かるものを準備します。
提出先は納税地を管轄する税務署です。該当する納税地が分からない場合は、こちらから調べましょう。
国税庁 税務署の所在地を調べる:https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
記入の方法
では、実際に青色申告承認申請書を記入していきます。
今回は、最大65万円の特別控除が受けられるように記入していきます。
項目ごとに番号をつけてありますので、上から順番にみていきましょう。
①:納税地を管轄する税務署名を記入します。納税地を管轄する税務署が分からない場合は、国税庁のホームページを参考に検索してください。
②:申請書を提出する日付を記入します。
③:自宅または事務所がある住所を記入します。電話番号も忘れずに。
④:納税地以外に住所や事務所がある場合に記入します。
➄:自分の名前、生年月日を記入します。
⑥:職業と屋号を記入します。屋号はつけなければ、空欄でも大丈夫です。
⑦:「令和〇年分」の部分に申告年度を記入します。次の段には、事業所の屋号と所在地を記入します。
⑧:該当する所得の種類にチェックを入れます。複数ある場合は全て記入します。
⑨:過去に青色申告承認の取り消しがなければ、無しにチェックを入れます。
⑩:開業した日付を記入します。
⑪:相続による事業承継がなければ、無しにチェックを入れます。
⑫:簿記の方式ですが、最大65万円の特別控除を受ける場合は「複式簿記」にチェックを入れます。
⑬:帳簿名ですが、最大65万円の特別控除を受ける場合は、以下の8ヶ所にチェックを入れます。
「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」です。
⑭:相談している税理士さんがいる場合に記入します。いない場合は空欄で大丈夫です。
まとめ
- 青色申告すれば税金を安くすることができる
- 条件を満たせば、最大65万円の特別控除を受けることができる
- 開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出すると、手間が少なくて効率がよい
会計ソフトを利用すれば、面倒な記帳はありませんし、電子保存もできるので一石二鳥です。
開業届だけ先に出して、青色申告だけ先延ばしにすると、仕事が忙しくなって結局提出しなかったり、再度税務署に行かなければならず、余計な手間が増えます。できるだけ開業届と一緒に税務署に提出しましょう。
青色申告をして上手に節税できるといいですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
* 記事を執筆した時点での税制になります。記事によっては、最新の税制を反映していない可能性もありますので、ご了承ください。