こんにちは、すみれです!
以前から気になっていたショクダイオオコンニャク。
最大で3mほどの大きな花を咲かせるんです、ご存じでしょうか?
茨城県にある筑波実験植物園で、ショクダイオオコンニャクが咲いたということで、実際にみてきました!
今回は、ショクダイオオコンニャクについてご紹介したいと思います。
- ショクダイオオコンニャクとは?
- ショクダイオオコンニャクの特徴
- 構造はどうなっている?
- 花の周期と葉の周期がある
- 世界最大の花ってホント?
ショクダイオオコンニャクとは?
世界で最も大きな花
これがショクダイオオコンニャクの写真です。
ショクダイオオコンニャクは絶滅危惧種で、世界で最も大きい花を咲かせます。
その高さは、約3m近くになります。
2023年5月27日に開花したショクダイオオコンニャクは261㎝でした。
2014年に開花したショクダイオオコンニャクの高さが272㎝でしたので、記録には届きませんでした。
それでも大きいですよね。
ショクダイオオコンニャクの自生地では、7年に1回しか花を咲かせません。
私が見学に行った筑波実験植物園では、ショクダイオオコンニャクを2017年に受け入れてから、2年に1回ほどの周期で花を咲かせています。
今回の開花は、2023年5月27日でした。2020年以降3年ぶり、通算6回目にあたります。
研究員さんが毎日観察して、丁寧な管理をされているのでしょうね。
すごいです!
私が見学した時、ショクダイオオコンニャクはこのような状態でした。
通常だと開花後3日は花が保つとされていますが、今回は早くに花の付属体が倒れてしまい、少ししぼんでいるような印象です。
ちょっと残念でしたが、近くでみるとその大きさに驚きます!
少し映っている職員さんの背丈と比べてみてください。
開花時に腐った臭いを放つ
開花した夜にのみ放つ強烈な臭いも特徴的で、肉が腐った臭いがします。
なぜこのような臭いを出すのかというと、死体を食べて生きているシデムシの仲間をおびきよせて、受粉に利用するからです。
筑波実験植物園での展示では、花の臭い成分を分析してBOX内に再現していました。
強烈な臭いと聞いていたので迷いましたが
思い切ってかいでみました!!
臭いの感じ方は人それぞれですが、長年使っていない古いトイレの臭いがすると、私は感じました。
展示文にある「いやなにおいの中に、わずかに甘い香りが含まれている」とありますが、かぎ分ける余裕もなく、とりあえず、くさかったです(^^;)
強烈な臭いがするのは開花時なので、ハウス内でショクダイオオコンニャクの近くにいても、くさい臭いはしないので、ちょっとホッとしました。安心して見学に行ってくださいね。
どこに生育しているの?
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアのスマトラ島に自生するサトイモ科のコンニャク属の植物です。
ショクダイオオコンニャクの名前は、ろうそくを立てる燭台(しょくだい)に似ていることに由来するのです。
ショクダイオオコンニャクのつくり
ショクダイオオコンニャクは、私たちが見慣れている花とは大きく異なります。
何がどうなっているのか、非常に不思議です。
そこで、ショクダイオオコンニャクの花のつくりについて
イラストをもとに説明したいと思います。
花序付属体(かじょふぞくたい)
中央の尖っている部分が、花の集まりである「花序付属体(かじょふぞくたい)」といいます。
花序とは、花のつき方のことです。また集団でついている花および茎のことをさします。
開花すると悪臭を発するのは、この花序付属体です。
花序付属体は、虫をおびきよせる臭いを遠くまで届ける役割があります。
花の根元で熱を発生させて、花序付属体の表面についている臭いの物質を拡散させます。
ショクダイオオコンニャクの花序付属体の中身は、ヘチマのようなスポンジ状になっており、効率よく温めた空気を上昇させるのです。
筑波実験植物園のショクダイオオコンニャクの日記では、花序付属体より湯気が出ている動画がありますので、興味がある方はぜひご覧ください。
筑波実験植物園 コンニャク日記
湯気が出るなんて、すごい!!
仏炎苞(ぶつえんほう)
花序をぐるっと囲んでいる、スカートを逆さにしたようなものを仏炎苞(ぶつえんほう)といいます。
仏炎苞とは、葉っぱが変化した苞のことです。
サトイモ科の植物は、この仏炎苞をもつものが多くあります。
水芭蕉(みずばしょう)
アンスリウム
塊茎(かいけい)
地下の茎が栄養をためて大きくなったものを、塊茎(かいけい)といいます。
一般的なコンニャクにも、この塊茎がありますね。
つまり、コンニャクの「いも」の部分です。
筑波実験植物園のショクダイオオコンニャクは、土の中に75㎏のコンニャクイモがついています。
日本人男性の平均体重がおよそ65㎏なので、男性がさらに10kgのお米を持っているところをイメージしていただければ、その大きさが想像できると思います。
すごい大きい!
雄花と雌花
今度は、ショクダイオオコンニャクをたてに切ったイラストで
説明します。
花序付属体の下の部分に雌花(めばな)、その上に雄花(おばな)が並んでいます。
仏炎苞の内側はスベスベしており、近づいてきた虫が中に滑り落ちるようになっています。
仏炎苞の中に入った虫は、花序の上についている雄花の花粉をたくさん体につけます。
さらに下に落ちると雌花があり、虫の体についた花粉が雌花について受粉が成立します。
花がしおれて倒れると、やっと虫は外に出られます。
ショクダイオオコンニャクの生育周期
ショクダイオオコンニャクは、葉の周期と花の周期を繰り返して生活しています。
ほとんどは葉の周期で、葉芽が育って緑の葉を生やして、そして枯れて休眠します。
この間に栄養をコンニャクイモである塊茎に蓄えます。
そして、塊茎に十分に栄養が蓄積されると、葉芽ではなく花芽を出して花の周期になります。
この花芽が、約3m近くまで成長して開花します。
そして数日で枯れてしまい、休眠するのです。
花の周期
葉の周期
この写真は、葉の周期であるショクダイオオコンニャクです。
こんなに青々とした葉っぱが、大きく広がるんですね。
筑波実験植物園のショクダイオオコンニャクは、葉と花の周期を1年ずつ繰り返しています。
6回目の開花が2023年だったことから、次回の開花予想は2025年以降ですね。
楽しみです♪
ショクダイオオコンニャクは世界で最も大きい花、なの?
ショクダイオオコンニャクの花は、中央に大きく尖っている部分(花序付属体)、それから付属体の下部にある雄花と雌花を合わせたものであり、正確には「花序」の中では最も大きいといえるのです。
とはいっても、2023年時点でギネスブックが世界一大きい花として認定するのは、ショクダイオオコンニャクで高さ310㎝です。
今回見学に行った筑波実験植物園では、2023年時点で花序の高さが261cmでした。記録には届きませんでしたが、かなり巨大です。
単体の花では、ラフレシアが世界最大と言われ、直径1m前後の大きさがあります。
これがラフレシアの写真です。
この花は、葉・茎・根を持たず、ブドウ科のつる植物に完全寄生します。
中央部分がつぼ状になっていて、中をみるとトゲトゲがあります。
怪獣のような花で、食べられてしまいそう。
まとめ
- ショクダイオオコンニャクは、サトイモ科の絶滅危惧種。世界で最も大きい花(正確には花序)を咲かせて、最大3mにも達する。
- 開花時の夜にのみ、肉が腐った強烈な臭いを発し、虫を引き寄せて受粉に利用する。においを拡散させるために、花の根元で発熱して、花序付属体は湯気を出す。
- 逆さのスカートのような部分は「仏炎苞」といい、葉が変化したもの。中央の大きな突起は、花序付属体であり、その下部に雄花と雌花がある。
実際に見学した日には、花序付属体が倒れてしまっていて、雄姿がみられず残念でした。
しかし、強烈な臭いを体験(再現BOX)できたり、至近距離で大きな仏炎苞を見て大きさを実感できたのは、非常に貴重な体験でした。
そして、何よりも筑波実験植物園では、ショクダイオオコンニャク以外にも様々な植物を展示しており、緑が豊かで癒される空間でした。また是非とも来園したいと思います♪
次回の開花は、ベストなタイミングで見学するぞ!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。